森の観察・調査・研究
積もる雪から顔を出す幼木たち。生き物たちの息遣いを感じる森の観察。
2024-02-07
東京都内にも雪が残る2月7日(水)、足尾の観察の森は20cmほどの雪に覆われ、真っ白な中にポツンぽつんと幼木が顔を出していました。人間は厚着をしたり、カイロを持ったりして体を温めますが、森の木々たちはどのように寒さに耐えているのだろうか、凍って枯れてしまうのではないかと心配になりました。
はるか昔から地上に生息する木々や植物たちは、低温になると細胞内に糖類やアミノ酸、タンパク質を蓄え凍りにくくしているそうです。寒さが厳しいほど冬野菜は甘くなるといわれますが、多くの生物のいのちを支える植物の知恵に驚かされます。
真白な雪の上を歩く小動物を狙っているのかトンビが空を舞い、コゲラやシジュウカラなどの小鳥たちは木の実や虫を探して森びとの皆さんが育てる森の中を飛び交っていました。
降り積もった雪はやがて溶け、地中を通ってろ過された源水が松木川に湧き出し、私たちにミネラル豊富な水を届けてくれます。地中から顔を出し花開く植物たちはハチや蝶に蜜を与え、受粉の手助けをさせて子孫を残します。
今は小さな幼木の「観察の森」ですが、「地球沸騰化」にブレーキをかける大きなパワーを潜ませている森でもあります。春が待ち遠しい「白銀」の森の観察となりました。