森の観察・調査・研究
雪が舞う。厳しい冬に備える「観察の森」の幼木たち。
2023-12-21
12月21日(木)、師走の足尾は青空が見えたかと思うと、日本海側の寒波の影響を受け、時折雪が舞う天気となりました。「観察の森」のある旧松木村に着くと、草をはむシカが出迎えてくれました。
「観察の森」では幼木の背丈を超える草に覆われていましたが、冬になり草が枯れてきたことからカエデやサクラ、ヤマボウシ、ヤマハンノキ、シラカバなど幼木たちが顔を出しました。木々は葉を落とし、来春に備え小さな冬芽をつけています。林床にはわずかですが雪が積もり、足尾にも厳しい冬の到来が来ることを予感させます。
林床のオオチドメグサが紅く色づき、コケも生えだしています。開墾しむき出しとなっていた表土も下草に覆われるようになり、表土の流出を抑え、乾燥を防ぐ役割を果たしています。少しずつですが森が構成される様子を見ることができました。
対岸の中倉山の斜面を見るとヤシャブシ(肥料木)の葉が落ち、枯草の斜面が広がり、荒廃した様子が見えてきます。気候変動によって台風の勢力も大きくなり、松木川源流の山々に雨が降ると一気に増水します。
下流域への洪水・土砂災害を防ぐために砂防工事が行われていますが、保水力を高め、温室効果ガスを吸収し温暖化にブレーキをかける森を少しずつでも育てなければと思う観察となりました。