1987年、国鉄からJRに移行して、「目黒さつきビル」(当時は「さつき会館」)は、動労から鉄道労連(現JR総連)の本部事務所として使用されてきましたが、1996年に月刊「自然と人間」を発刊するために使われた部屋の一部に資料棚を設けて、動労関係や国労関係など国鉄労働運動とそれに関連する諸資料を収集したことが「資料室」(「労働資料館」の前身)の始まりです。当時は、「資料室」の一角の物置のような箇所に積み上げられていました。必要なときに探すという事が当たり前だったからです。
その後、2002年から資料全体の整理、把握作業が進められました。また資料については、OB諸氏や元国労役員の本間久雄氏の蔵書、労働運動研究家、文化人などからも多くの資料が寄贈されました。さらに職場に残っていた貴重な資料が動労の地本・支部、国労の分会などからも寄贈されています。
2009年4月には、故・梅本克己氏の蔵書・資料を展示した梅本克己文庫記念館を開設、梅本氏の夫人・千代子さんを招いて記念式典も行われました。
2010年10月には、「三鷹事件」関係資料の保存を進める会から三鷹事件資料の預託を受け「三鷹事件資料室」を開設しました。同会は2017年5月に三鷹事件関係資料を保存する会に改組、再度預託の要請を受けました。
2013年4月に日本鉄道福祉事業協会は、一般財団法人として認可を受け、労働資料館事業は、その公益事業の一つとして認められました。
2017年7月に新ビル内に広いスペースの労働資料館が開設、労働組合関係の資料・書籍を中心に、梅本克己文庫の書籍・資料、三鷹事件関係資料を一ヵ所に集め、さらに松崎明氏のコーナーを開設するなど、厖大な資料・書籍が一堂に会する場としてスタートしました。
今後、より一層、利用しやすい資料館にするための資料の収集、データの整理作業を進めていきますが、皆さんからの資料の提供をお願いすることとしています。
また労働資料館は所蔵する文献資料について不特定多数の方々にも広く開放し、労働運動、市民運動の前進にも寄与していく所存です。楽しく集い・語り合って、過去を振り返りつつ未来を考える、資料を通した交流の場としても労働資料館を利用していただけるよう願っています。