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エコ散歩

エコ散歩

~いま破壊されつつある都心の森を歩く~ エコ散歩in明治神宮外苑の森

2023-09-10

9月10日(日)、再開発計画により樹齢100年を超える樹木を含めた約1000本の木々が伐採されようとしている神宮外苑の森を歩く「エコ散歩」を共催。森びと植生アドバイザー・中村幸人東京農業大学名誉教授の案内で破壊されつつある都心の森を歩きました。


【樹齢100年の森を歩く】

神宮外苑にある神宮球場、ラグビー場、テニス場の改築、超高層ビルの建設が計画され、伐採・移植予定地の森は白い塀に囲まれていました。事業者側は「3m以上の樹木を伐採する」と発表していますが、白い塀の高さが3mあり、大半の樹木が対象になってしまうのではないかと参加者から不安な声があがりました。

【人工の森から自然の森へ再生】

中村教授は、再開発の工事が進む森の木々を丹念に観察し、関東地方の主木であるケヤキやスダジイなどの高木を中心に、亜高木やアオキなどの低木、下草など森の階層が出来ており、「人工の森が自然の森・照葉樹林の森に再生されていく先がけが出来ている」と話されました。そして、「見て楽しむ森も大事ですが環境機能を備えた森も大事」と再開発にあたって森が果たす役割の重要性も話されました。

神宮球場周りでは木々を囲む柵の中に、タブノキの幼木を見つけました。人の手によってつくられた森に鳥や風などが加勢し、自然の森へ戻ろうとする先がけを見ることが出来ました。

【衰弱する銀杏並木】

銀杏並木に入り、見上げるとテニスコート側の列の一部が枯れており、木が衰弱していることが確認できました。どんな環境が災いしているのか、きちんと調査する必要があるようです。


【豊かな生態系が森を支える】

都民の暮らしを森の下で支える生き物たちとの出会いもありました。落ち葉の下の土をすくい、ルーペで土壌動物を観察。ミミズやワラジムシ、トビムシなど落ち葉を食べて分解し、栄養のある土をつくっていました。自然と共生していかなければ私たち人間は生きていけません。中村教授は「都会は緑が少ない。それなのに緑を減らすのは本末転倒だと間違いなく言えます。」と総括されました。


【森に生かされていることを実感】

35℃の猛暑の中でのエコ散歩でしたが、森に入るとひんやりとして、森に生かされていることを実感。先人が木を植え育てた100年の森は、自然が加勢し本物の森へと生長しています。経済を優先させるのではなく、私たちが健全に生活できる森を元気に育てていくことの大切さを学ぶエコ散歩でした。

 

エコ散歩in明治神宮外苑
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