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シンポジウム

シンポジウム

「気候危機に向き合う生活を考えるシンポジウム」開催!

2025-04-20
 4月20日(日)、当法人は森びとプロジェクトと共催で「気候危機に向き合う生活を考えるシンポジウム」を開催しました。目黒さつきビルを主会場にZoomによるオンラインも含め85名が参加しました。
 
主催者あいさつ
森びとプロジェクト 桜井勝延代表
 原発を止めるということから全く外れてしまい、原発を再稼働し、新たな原発を作るという方向に日本政府は舵を切ってしまった。被災者はもちろん、暮らしや命がぞんざいに扱われてはならないこと、同時に、本当に原発を再稼働することが地球温暖化や気候危機に対する方針として正しいのかということについてもこのシンポジウムを通じて共有していきたい。私たちが今生きている地球を壊しているのは人間の生活です。アメリカのトランプ大統領のように気候変動とか二酸化炭素の問題は問題がないという極端な見解を持った国家指導者が出てくると、世界中の人たちや命あるものが危機に陥るわけです。私たちは今ある現実、進行する気候危機を共有することで、自分事として捉え、この気候変動に対して取り組みをしていかなければならなりません。
 
生活場面から考える
東京都内に住む奥村隆夫さん
 気候変動に対する体験と対処・対応の限界について報告します。2019年10月に発生した台風19号により川崎市武蔵小杉のタワーマンションのライフラインが水没し、電力・水道の機能が停止し、完全復旧と対策には1年間要しました。この出来事を自分事として捉えて、自宅のあるマンションが浸水した時の危機感から出発し、調査を開始するとともに自治体への要望やマンション居住住民へ呼びかけて対応策の検討をしてきました。そして、異常な気候変動に危機感を感じている人々や組織体はたくさん存在するので、互いから学び、協力・連帯することが大切です。
豪雪にみまわれた鉄道の復旧作業現場
秋田県のJRで働く高橋淳さん
 今年の秋田県県北地域と青森県津軽地区は過去最大の大雪となりました。2月22日秋田県県北地区の普段雪があまり降らない所で大雪となり、二ツ井駅では 1時から5時20分の間で88cmの積雪を記録していました。当時の新聞でも大きく掲載され、線状降雪帯が発生したとも書かれていました。 
 秋田県と青森県の県境の陣場~津軽湯ノ沢間では、倒木あるいは線路支障している木が2日間で166本確認されました。また、切断作業中に腹部に倒れてきて肋骨を骨折する二次災害も発生させてしまいました。今回の雪害は、死者が出なくて良かったと感じます。ライフラインが断たれてしまうことは想定しましたが、運良く短時間で復旧となったことや、高齢者住宅での屋根の雪下ろし作業が行われず倒壊してしまうこともなく、結果から運が良かっただけとしか思えません。また、鉄道の運転再開が一番遅かったのですが、鉄道以外の交通インフラも運転再開までかなりの時間を要しておりました。道路ももちろん通行止めとなり、そういう環境で生きるためにどうするべきか改めて考えさせられました。こうするべきという明確な答えが出なく、もどかしいとも感じます。これからもこのような災害級の大雪は発生するものと想定し、構える・備えることをしていきたいです。
目の前に迫る食糧危機を訴える
茨城県利根町・農業経営 齋藤博道さん
 大規模化している農家にとっては補助金を使って、その飼料米を作ればある一定の金額が保証されるという制度があります。しかし我々小規模農家っていうのはほとんどが飼料米を作らず、食用米を作っているのが現状です。実際、食用米が今まであまりにもコストに対して見合わない金額で、秋口収穫を経た時点で農協や集荷業者にとって買い取られるという金額がマイナスになっていたのです。この国は、我々小規模農家が支えているのが現状だと思います。今後、小規模農家が減少していけば、必ず日本は食糧危機になる、それが目前に来ていると実感しています。私は自分で営業努力しながら、個人のお客さんとの繋がりを作り、直販スタイルを確立して何とか米作りを継続しているのです。野菜農家とか米農家と直接繋がって信頼できる人間関係を作りながら食料を調達するという時代になるのが理想的なのかと思います。
次世代のために気候危機に歯止めをかける
若者気候訴訟原告団 時任晴央さん
 相次ぐ森林火災・森林伐採の報道を見て、将来への不安を感じて気候変動に関する活動を始めました。パリ協定で確認された産業革命前からの気温上昇が1.5℃を超え、私たちは危機感を持っています。昨年8月に14歳から29歳の若者たちが日本の主要火力発電事業者10社(CO2排出の30%を占める)を相手取り、1.5℃目標と整合する科学と国際合意の水準での排出量の削減を求めて、名古屋地裁に訴えました。原告として「私よりも後に生まれた世代がかつての地球の現状を知り、私になぜ何もしなかったんだと問われる時が来ると考えると絶望します。気候危機が二度と止まらない日がやってくることを想像すると、生きていく自信がなくなります」と、意見陳述で述べました。
参加者からの意見
ジャーナリスト 吉村秀實さん
 生活現場や労働現場、若者からの問題提起や報告を受けて、各報告に対して13名の参加者から意見をいただきました。
 生活現場では「豪雨によって森作業小屋が流されそうになり、行政に働きかけた。気が付いたら自分で行動する事が大切だ」「マンション生活での1番の心配は人と人とのコミュニティーが取れない事。災害への備えと災害時に何をすべきか家族と話し合っている。危機感の共有が大切だ」
 温暖化による農業への影響について「コシヒカリとひとめぼれを作っている。夏の気温が米の適正温度の30℃を超えるのが当たり前になっており、今後米が取れなくなる」「猛暑で日中の米づくり作業が出来ない。朝早くと15時以降から作業を行っている」
 若者の報告では「環境問題は非常に難しい。『生きる自信を無くす・生きていけないんじゃないか』この気持ちは若者しか分からない。他の世代に理解してもらうにはどうしたらいいか」
 労働現場では「温暖化で雪が減ると思ったが水蒸気が多く大雪が降っている」「計画運休というが、重い雪に対応するラッセル車があるのか。経営者の危機意識が問われる」など意見をいただき、気候変動の影響を共有化しました。
 最後にジャーナリストの吉村秀實さんより、「荒廃する災害大国日本~ことわざや格言に学ぶ防災対策~」題してコメントをいただきシンポジウムを終了しました。 
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