森の観察・調査・研究
猛暑の中で育樹作業、チョウやトンボなど「昆虫の森」に生長
2025-06-28
6月28日(土)、「観察の森」のある足尾では気温が33度を超える真夏日(写真➀)となりました。
松木川沿いにある「観察の森」は河川から蒸発する水蒸気が降り注ぎ、日中は太陽の光を浴び、木々や草が光合成を起こして生長しています。生長の遅い幼木が草に覆われてしまうと「蒸し風呂」のようになり枯れてしまいます。苗木を植えたら、木々の生長を促すために3年間の草刈りを行うことが必要で、刈り取った草は木の根の周りに置き、保湿と肥料にします。
この日は森びとスタッフの協力をいただき、「観察の森(赤土地)」の育樹・草刈りを行いました。2022年に植樹したヤマボウシやサクラは150㎝程に生長し風になびいています。一方で生長の遅いモミジやハクウンボクは、茎が太く扇状に広がるススキやカヤに覆われはじめていました(写真②)。
草の根元を掴み、草刈り鎌で刈っていきました。直射日光を遮るものがないため、体感温度は35度を超えます。水分を補給しながら作業を行い、「赤土地」の西側3分の1ほどを刈りました(写真③)。
森内には花の蜜を求める蝶や昆虫が増えてきました。クリの花にはハナムグリやシジミチョウ、セセリチョウ(写真④)がとまり蜜を吸っています。また、15都道府県で絶滅危惧種に指定されている昆虫・キバネツノトンボ(ウスバカゲロウの仲間)が森の中を飛び交っていました。「湿地」エリアに入ると「ニレの木」で羽を休めていました(写真⑤)。ニレの葉の赤いふくらみは「オカボノクロアブラムシ」が寄生した様子です。減少の要因は、河川敷や湿地などの自然環境が減少し、適切な生息地が少なくなっていることが原因のようです。
荒れ地を耕し、木を植えることで草木の競争が始まり、それまで見られなかった昆虫が見られるようになりました。失われた「生態系」が徐々に回復(写真⑥)していることを垣間見ることができた観察となりました。


