森の観察・調査・研究
色づく足尾の森の木々、「観察の森」の生長を調査しました。
2024-11-26
11月26日(火)、足尾・松木の植樹地は灰色の雲に覆われ、9時の気温も2℃と冬の到来を感じます。
19年前から森びとプロジェクトが植樹を行っている「臼沢の森」(写真➀)や「民集の杜」(写真②)が紅葉し、まだまだ荒廃地の広がる松木渓谷に、その土地本来の「いのちの森」が育っていることを実感します。「観察の森」の木々も紅葉し、冬への備えで冬芽をつけ葉を落としていました。
2022年10月に植樹した60㎝ほどの苗木が2年でどのくらい生長しているのか、森びとの橋倉スタッフの協力をいただき各エリアで一番樹高の高い木を調査しました。
砂地エリアではヤマハンノキが5m(写真③)に伸び、生長の速さに驚きました。土壌改良地エリアではヤマザクラが1.9mに、赤土エリアではヤマボウシが2.4m、湿地エリアではカツラが2.2m、河川敷エリアではネコヤナギが2.3m(写真④)に生長していました。
森の調査で驚く発見もありました。砂地エリアのヤシャブシの枝にトカゲが刺さっており、モズが食料を保存する「モズのハヤニエ」(写真⑤)が見られました。赤土エリアでは、草刈り後の林床に「フユノハナワラビ」と苔(写真⑥)が生えていました。森の生長に伴って生き物が増え食物連鎖がつくられ、風や鳥が種を運び、生き物たちが暮らす森が豊かになっていく様子を垣間見ることができました。