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森の観察

森の観察・調査・研究

荒廃地にどんな植物が根付くのか。「観察の森」を紹介します。パート2

2024-08-26
 足尾銅山跡地、松木川沿岸の植樹地「観察の森」にはどんな木が植えられているのでしょうか。その土地の条件に適した木々が植えられています。その一部を紹介します。
 
①砂地
 大小の石が堆積している栄養の少ない土地に強い木を植えています。
 樹種:シラカンバ、ヤマハンノキ、オオバアサガラ、ヤマナラシ、ヤシャブシなど6種類、約200本

②土壌改良地
 赤土と砂混じりの土地に黒土を混ぜて土壌を改良し、落葉広葉樹を植えています。
 樹種:コナラ、ヤマザクラ、ハウチワカエデ、ヤマボウシ、コブシ、クリ、カツラなど18種類、約300本

③赤土の土壌地
 赤土の土壌を生かして落葉広葉樹を植えています。
 樹種:ミズナラ、ヤマザクラ、ウリハダカエデ、ヤマボウシ、クリ、ハクウンボクなど10種類、約400本

④湿地
 斜面から雨水が流れ落ち、雨に運ばれた土砂が堆積した水分の多い土地に生える木を植えています。
 樹種:ハルニレ、オヒョウ、カツラ、シナノキ、キハダ、ヤチダモなど8種類、約160本 

⑤河川敷
 大雨ごとに川岸が削られる岩や石だらけの河川敷に、川辺に生える木を植えています。
 樹種:コゴメヤナギ、バッコヤナギ、ネコヤナギ、アキグミ、ドクウツギなど6種類、約130本
  
 荒廃地に穴を掘り、木を植えることで、土の中に眠っていた草の種が芽を出し、風や鳥、動物たちが草や木の種を運んでくれます。小さなエリアですが木々と草が競争しながら生長していきます。温室効果ガスを吸収し、土砂の流出を防ぎ、木の根に水を貯め清らかな水を川に流し里に送ります。植物の遷移と生態系の変化を調査・観察します。
(下記の写真は2022年10月植樹後と2024年7月の生長した樹々の様子)

④湿地エリア(2022年10月)⇩
⑤河川敷エリア(2022年10月)⇩
上空から見た「観察の森」エリア
④湿地エリア(2024年7月)
⑤河川敷エリア(2024年7月)
支柱にとまるミヤマアカネ
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