森の観察・調査・研究
木々の生長にともない“いのちの循環”がはじまりました。
2024-06-30
6月30日、低気圧の影響で曇り空の足尾。梅雨に入っても気温の高い日が続き、「観察の森」の木々と草が元気に生長していました。
荒廃地の足尾ではヤシャブシやヤマハンノキなど空気中から窒素を吸収し根で栄養に変えることが出来るパイオニア樹種が多く植えられています。「観察の森」でも「砂地」に植えられたヤマハンノキやシラカバの生長が著しく、森びとプロジェクトの橋倉スタッフの協力をいただき樹高の計測を行いました。
2022年10月に植えた時は60㎝程のヤマハンノキが300cmに、シラカバは175cmに生長していました。土壌改良地で一番生長のいいヤマザクラが125cmでしたので、荒廃地の土壌改良を行い、次の樹種に遷移する役割を確認することが出来ました。
土壌改良地では、柵の南側にヤマハンノキがあり、改良前の草地では実生の幼木を見ることはなかったのですが、土壌を開墾した後にはたくさんの種が活着し、植えた苗木と競争を始めています。赤土地、湿地ともに、植えた苗木の活着率が良く、赤土地のヤマボウシは130cmに生長していました。
木々の葉の広がりと共にハルジオンなどの花も咲き、蝶は蜜を求め、アブラムシは樹液を舐めカナブンは葉を食べています。小さな森が出来ることで“いのちの循環”が始まっていることを感じる観察となりました。